認知症のタイプと治療

認知症のタイプ

 

アルツハイマー型認知症

 

脳にアミロイドβやタウといったタンパクが蓄積されることで、神経細胞が破壊されていき、神経を上手く伝えることができなくなってしまいます。それに伴い脳の萎縮が進み、記憶障害、判断力低下が起こり、症状が進むと徘徊などの周辺症状も起きてきます。

 

脳血管性認知症

 

脳梗塞やくも膜下出血などの脳の血管の病気によって血管が詰まることで、脳に酸素が行き渡らなくなり、神経細胞が死んでしまいます。脳の血管の障害が原因となる認知症で、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。

 

レビー小体型認知症

 

レビー小体と呼ばれるタンパク質が脳の大脳皮質や脳幹にたくさん集まることで、神経細胞が破壊されていきます。それによって神経伝達が上手くできなくなる男性に多いタイプの認知症です。

 

軽度認知障害(MCI)

 

健常者と認知症になる境の状態で次のような定義になっています。

 

1.記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
2.日常生活動作は正常
3.全般的認知機能は正常
4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
5.認知症ではない

 

一般的に認知症の検査は、長谷川式という簡易評価で行われます。30点満点で20点以下は認知症の疑いと判断されますが、それに近い境界ゾーンのスコアは軽度認知症(MCI)呼ばれています。但し、あくまで簡易的なものですので、詳しくは画像診断での判定になります。

 

軽度認知症(MCI)の場合には、認知症に進まないように早期に予防対策を心がける必要があります。認知症の処方薬は、保険適用上では認知症と確定されなければ処方されませんから、日常的にできる対策を心がける必要があります。

認知症の検査と治療

 

認知症の検査

 

認知症の検査は、一般的には長谷川式という簡易的な評価のスコアで判断されます。30点満点で20点以下は認知症と判断されます。この検査はあくまで簡易的なもので、検査を受ける時の体調や本人の知能レベルにもよるところがあるため、更に詳しい検査は画像診断となります。

 

画像診断では、MRIやCTといった検査を受けることになります。脳血管での障害の場合は画像で分かりますが、アルツハイマー型の場合には、それらの認知症ではないという除外診断での判断となります。

 

 

認知症の治療

 

アルツハイマー型認知症の治療は、日常的な対策のほかに薬が処方されます。数種類の治療薬がありますが、残念ながら治療して元の状態に戻す薬はまだなく、あくまでも進行を遅くするための薬になります。

 

認知症の治療については、薬の治療よりも、家族の接し方や日常生活といった要素の方が大きくなりますから、認知症を進行させないような環境づくりが大切です。

 

 

認知症外来のある病院

 

認知症の検査や診断の専門医は、神経内科や精神科となりますが、特に認知症について専門に診療科を設けている病院もあります。

 

詳しくは認知症家族の会のホームページで、全国の「もの忘れ外来、認知症外来」がある病院を調べることができます。